ドクさんご結婚


数日前の朝日新聞のコラムでグェン・ドクさんの記事。
ドクさん、そう、あのベトちゃんドクちゃんの彼。
枯葉剤の影響で1つの身体で生まれてしまった双子の兄弟。
確か日本で分離手術をしたんじゃなかったかなあ。
その彼が青年に成長されご結婚とな。時の流れにしみじみ。


お兄さんのベトさんは、まだ意識のないまま入院中とか。
亡くなっていなかったことに、命あることに、安堵する気持ちと
意思に関わりなく生かされているのでは、という疑念が交錯する。
それでもやっぱり捨てられないのは、
生きていれば奇跡が起きるかも、というかすかな希望。


ドクさんの幸せはうれしいけれど、
やっぱりいけないよ、戦争は。どんな理由があったとしても。
ケンカはいい。でも、ケンカは顔の見える相手とするもの。
ひとりの人間同士が、面と向き合ってぶつかりあう。それはいい。
1人の人間が本気で憎める人間の数なんてたかがしれてる。


なんだけど、マス対マスになると一気に事がやっかいになる。
これって、国同士とか宗教間とか大きな話を持ち出さなくても
世の中いたるところにある。子供の世界にだってある。
1人の人間が、憎んだり恐れたりすることのできる人間の数なんて
たかがしれてるはずなのに、
マス対マスになった途端に指数的に増加するこの怖さ。


肝に銘じておこう。


と、ドクさん結婚からそんな当たり前のことを思い出した夜。