祖国とは国語


祖国とは国語 (新潮文庫)

祖国とは国語 (新潮文庫)


最近(でもないか?)書店で前に出てる藤原さんの本。
「祖国とは国語」とはフランスの方のことばだそうです。
祖国とは国語、と言い切っていいのかは、
ワタクシ個人的にはちょっと悩むところなんだけど、
「ことばは思考」なのは間違いないと思う。
ことばは、思考プロセスを握ってる。これ、最近すごく実感する。
だから英語なんかより国語教育をしっかりすべき、には賛成。
別に英語でも日本語でもいいんだけど、思考の軸となる言語を
ちゃんと学ぶべきと思う。


さておき。本筋よりもこの人の子育てに心ひかれた。
こどもたちの「発見」をすごく大切にするの。
何でもいいから「発見」するとお父さん(藤原さん)に報告。
お父さんは、それがどんな発見であっても大げさに褒める。
そして、独断と偏見で、大発見・中発見・小発見を決める。
子供たちは、やっぱり大発見だと言われるとうれしくて
小発見だと、ちょっと「ちぇ」となるわけです。(笑)


情報が氾濫していて、「発見」の難しくなった今日このごろ。
それでも、身近なもののなかには、たくさんの不思議がある。
そういうのを見つける喜びが自然に身につくんだろうなあ、
すごく上手だな、と思った。
家族みんなで、「なぜそうなるのか?」議論するシーンもよい。
結論が出るものもあれば出ないものもあるし、
家族で出した結論が、正しくないときもあるんだろうけど、
ひとつの発見をみんなで大事にするのが、とてもいい。


やー、しかしこういうのは、きょうだいが多い方が楽しいね。
藤原さん一家は、3人兄弟なんだけど、発見へのアプローチも
「なぜ?」に迫る思考のプロセスもそれぞれで、より面白し。
お母さんのどっしり感もまたすてき。


、、と本筋と関係ないところでしきりに感心した本でした。