オーデュボンの祈り
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/11/28
- メディア: 文庫
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うっかり血迷ってコンビニ強盗をはたらいて
あっさりつかまった28才のシステムエンジニアが
ふと迷い込んだ(というか拾われた)小島「荻島」で起きる事件。
この荻島、日本では認識されていない、という想定。
本土と行き来するのは、交易(?)してるたった1人。
他にはだれも島からでないし、基本的にだれも来ない。
独自の法、というか倫理観で動いてる。
出てくるひとびと、なんかみんなちょっとヘン。
ё 未来を見通せるしゃべるカカシ
(ペリー来航のころ作られました)
ё 奥さんの事件以来、反対のことしかゆわなくなった画家
ё 太りすぎて動けくなった市場のおかみさん
(ずっとお店に座ったまま。ちなみに夫婦仲はむつまじい。)
殺人とか血なまぐさい事件が起こるわりには、
なんかちょっと気が抜けるというか、結構ほわーんと進みます。
でも時折感じる奇妙な怖さがある。
ヘンさと普通さのバランスが微妙(絶妙?)で
なんだか普通にヘンさを受け入れてしまうのだけど、
ふと何かに気付いてヒヤッとしたり。
荻島(=ファンタジー)外の人間の
主人公の同級生の警官が、ちょっとありえないくらいの悪人で
荻島のヘンなひとたちよりもかえってリアリティがない、
ってところも妙に逆説的。
この著者の本はまた読んでみます。